《めてみみ》新たな価値を見いだす

2026/10/15 06:24 更新NEW!


 「イベント会場に展示されているのは、30年前に乗っていた愛車かもしれない」。色も椅子の柄も、ナンバープレートも同じだから間違いないと、車好きのファッション業界人が感動まじりに教えてくれた。

 90年代の車で、ダスティーな水色が目を引く。当時「買い取り価格は1000円」と仲介業者に冷たく告げられ、泣く泣く手放したものだという。それがぴかぴかに磨かれて鎮座していたのだから、相当うれしかったに違いない。

 現在所有するのは、カーライフスタイルメディアの「カーシティガイド」(CCG)。車を単なる移動手段ではなく、生活の質を高めスタイルの幅を広げる存在として捉え直すことが目的のデジタル媒体だ。車で行きたい街や店を提案するとともに、車で使いたくなる商品の開発や中古車の個人売買仲介サービスも行っている。

 冒頭の車はCCGのオフィシャルカー。少しダサい雰囲気のセダンボディーが、現代ではかえって魅力的に映る。運営する中村真編集長は30代。市場価値はさておき、若い世代の審美眼で1000円だった価値を主役級に引き上げた。

 大切なのは新たな価値を見いだし、独自のスタイルを提案できるかどうか。それがファッションビジネスに限らず、新たな潮流を作り出すのに欠かせない感覚だと改めて実感した。ファッション業界人のフォロワーが多いのもうなずける。



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