経済産業省は政府が11月10日に閣議決定し、現在開会中の臨時国会での成立を目指す23年度補正予算案(一般会計で総額13兆1000億円)で、4兆5000億円を計上した。国庫債務負担行為による複数年度分を含めると4兆9000億円。
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繊維・ファッション関連業界を含む中堅・中小企業への補助金を増やす。「賃上げに向けた省力化などの大規模成長投資」を行う中堅・中小企業向け補助金と、政府が指定した省力化につながる製品をカタログから選んで利用した中小企業向けの「中小企業省力化投資補助事業」を新設、それぞれ1000億円を計上した。大規模成長投資補助金は複数年度で総額3000億円、省力化投資補助事業は既存の「事業再構築補助金」の基金の活用を含む複数年度で総額5000億円となる。さらに、「ものづくり補助金」「IT導入補助金」など「中小企業生産性革命推進事業」で2000億円を計上した。併せて、コロナ禍や物価高騰などの影響を受けた中小事業者向けの日本政策金融公庫などによる資金繰り支援策に629億円を充てる。
また、「物流の2024年問題」を踏まえ、荷主企業による物流施設の自動化・機械化を目指した機器・システムの導入やラストワンマイル配送の省力化に向けて、公道を走行する自動配送ロボットの実証を行う「物流効率化に向けた先進的な実証事業」で55億円を計上した。
省エネルギー性能が高い設備への投資を対象業種を限定せずに補助する「省エネ補助金」を1160億円(複数年度で総額2325億円)を計上するなどエネルギー価格高騰対策も強化する。燃料油の卸価格抑制と電気・ガス料金の値引きを支援する「激変緩和対策事業」を来年4月まで継続し、燃料油対策で1532億円、電気・ガス対策で6416億円を充てる。