繊維・アパレル企業が集積する岡山県・児島の観光スポットが生まれ変わった。瀬戸内海を見下ろす絶景が楽しめる「鷲羽山レストハウス」が、地元の企業6社による共同企業体MIKOSI(ミコシ)によって、セレクトショップやローカル食堂、書店などが揃う複合施設になった。
様々な業種が一丸
ミコシは、ジーンズ洗い加工のフーヴァル、自社ブランドや宿泊施設・飲食店を手掛けるITONAMI(イトナミ)のアパレル関連企業のほか、地域活性化事業に取り組むFurious(フューリアス)、平成レンタカー、スマート・ラムズ、JR西日本で構成。様々な業種が、地域活性化を目標に一丸となり、倉敷市の指定管理者制度で、同施設をリニューアル・運営している。
新たな形でオープンしたのは4月26日。延べ床面積2180平方メートルの4階建ての4階にショップ、3階にローカル食堂、2階に書店や休憩所、会議室を設けた。ショップはデニム製品や帆布、畳縁などの地場産品や土産をセレクト。産地としての背景もわかりやすく紹介し、アパレルの期間限定店や民芸品の展示なども実施していく。

ローカル食堂は、従来のレストランよりもあえて地元の魅力が楽しめるものにした。地域の食材を生かしたご当地グルメなどをメニューにする。書店は地元で人気の「aru」(アル)の2号店。ゆったりとした空間で、店主がセレクトした本を、景色とともに楽しめる。


戻ってきたい街に
5月下旬に開いた内覧会では、ミコシの代表を務める石橋秀次フーヴァル社長が、「ここの景色は海外のお客さんを連れて来るぐらいすばらしい。『児島を良くしたい』という同じ思いを持つメンバーで連携してリニューアルを実現できた」とあいさつ。「子供たちにとっても、ここが良い思い出になればうれしい。高校を卒業し、いったんは地元を離れてしまうかもしれないが、戻ってきたい街であり続けたい」と続けて話した。
