三井物産は、アフリカのザンビアコットンを使用したアパレル製品などのサプライチェーンを可視化して、生産者と消費者を結ぶプラットフォーム「ファーマーズ360°リンク」を立ち上げた。
同プラットフォームはザンビアの零細綿花生産農家の支援を目的にしたもので、新たなエシカル(倫理的な)消費体験を提供する。購入者はアプリを通じて、生産者の顔や、彼らの暮らしの様子とともに現地の生活課題を知ることができる。購入者は支払った製品価格の一部で、現地の地域社会に貢献する、〝井戸掘り〟や教育教材の購入、太陽光パネルの設置などに関する投資を行うことができる。
購入者は、商品タグのQRコードから支援の内容を選択でき、LINEなどのSNSを通じて、現地から支援事業の進捗(しんちょく)リポートを受け取ることができる。三井物産は「様々なプログラムを現地で推進し、その様子を購入者は知ることができるため、村づくり、街づくりに生産者と一緒に取り組むような体験ができる」としている。
システムは、三井物産が出資するアフリカの農業商社ETGと連携して推進。ETGが持つ綿花農家とのネットワークを生かし、農家とオンラインでつながるために必要なデバイスを供給しながら、種子の段階から収穫、加工までの過程を管理する。また、ブロックチェーンを活用して、サプライチェーンの最上流である農家からトレースし、生産される製品の環境課題への影響を可視化できる。
同コットンを使用した製品販売はパートナー企業としてサザビーリーグの「ロンハーマン」が行う。「8100」(エイティワンハンドレッド)で23年春夏からTシャツやカットソートップなど6型を企画し、「30~40代を中心に幅広い層に向けて販売する」としている。