バッグメーカー、モンテグラート(東京、山田真裕社長、電話03・6807・0076)のレディスバッグ「ヴィオラドーロ」が、順調にビジネスを拡大している。ブランドのデビューから9年経ち、柱のアイテムを確立してきたことと、企画と営業の連携を強めることで、成長に結びつけている。
現在、同ブランドの卸し先はセレクトショップや百貨店など約100社あり、年間売上高は約3億円。17年3月期は前年比40~50%の増収を見込む。昨年9月、今年1月には仏プルミエールクラスに出展し、3月には仏トラノイへの初出展も予定しており、海外販路の開拓にも取り組んでいる。
ヴィオラドーロはトレンド感のあるフェミニンなデザインが特徴。中でも、レザーやファーなどをデザインアクセントにした小ぶりのカゴバッグ(1万~2万円台)に定評がある。17年春夏も「アバカやラタン製などのカゴバッグだけで1万3000本のオーダーが入っている」(山田社長)。
秋冬物はフォックスやラクーン、ムートンとコンビにしたレザーバッグが人気だ。1月のプルミエールクラスで注目度が高かったのは、オールフォックスファーのバッグ(3万4000円)。上質さを出しながらも、素材を独自のルートで調達することで、手に取りやすい価格に抑えている点も支持されている。
山田社長は、「物作りと営業の両面で一つのチームとして協力できる体制を整えたことは、ブランドの成長に大きく影響している」と話す。ブランドの立ち上げから数年は1人でほとんどの業務をこなしていた。4年前から人員を増やし、現在はデザインと営業の担当者を合わせて6人体制になった。2年ほど前からは販促をPRオフィスのピーチに委託し、ホームページのリニューアルやルックブックの作成などを強めた結果、媒体への露出が飛躍的に増えた。
今後は、各卸し先との関係を深めながら、海外での売り上げ増も目指す。「ナイロンやキャンバスを使ったよりライトなイメージの新ブランドの立ち上げも検討中」という。