身長150センチ前後の小柄な女性向けブランドをECで販売しています。創業は学生の頃。ファッションを楽しみたい年頃なのに、自分自身、身長が148センチしかなく選択肢が限られていました。キッズ服はしっくりこないし、百貨店の小柄向けは値段が高く大学生には手が出せません。ギャル服やフリルのついた可愛い服も違う。20代の小柄女性が当たり前にお洋服を楽しめる環境がなかったのが創業の理由です。
まずは市場調査を、とショッピングセンターの端から端まで歩き、流行しているものやサイズ感などを調べ、作りたいイメージを固めました。とはいえ、製造に関しては素人。国内工場に片っ端から電話をしましたが、学生だし、実績もない。小柄な服の製造経験もないなどの理由でかないませんでした。
仕方なく、中国のBtoB(企業間取引)マーケットプレイス、アリババを使って「ミニマム100で価格はこれぐらい」などと公募をかけました。名乗り出た業者を選び本生産に入りましたが、サンプルとは異なる縫製水準。製品はしわくちゃだったので、自分たちでアイロンがけをし整えました。
製造に入る頃にSNSのアカウントも開設し、小柄女性のコミュニティー作りも開始。共通の悩みを持つ女性は積極的に参加してくれ、徐々に仲間が広がってきました。トラブルも包み隠さず共有すると、「大変だったね」とコメントしてくれたりして一緒にブランドを生み出す雰囲気が醸成されていきました。18年の1月に正式発売することが出来ました。
(「コヒナ」ディレクター)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。