中野産業(大阪府貝塚市、中野義典社長)は、大阪に本社を置く。祖業はケチャップや缶詰製造という。現在はファッションストッキングやインナー、医療用ストッキング、編み技術を応用したフィルター資材が経営の三本柱だ。
今年は、編み立て、染色、企画・販売で純正国産表示制度「J∞QUALITY」(Jクオリティー)の「安心・安全・コンプライアンス」企業の認証を取得、ファッション用途の強化も図る。OEM(相手先ブランドによる生産)が主力だが、約90台の編み機を持ち、無地から柄物、NBからデザイナーブランドまで多様にこなすのが強みだ。染色工程も自社で一貫体制を敷いており、国産ならではの納期対応が可能。
最近は新規販路の開拓、高付加価値商品の開発にも力を入れる。差別化商品の例では、シルク、120番綿糸などの複合糸、アクリル・レーヨン・ナイロンの3者染め、差別化原料を活用した紡績糸使いなどを手掛け始めている。この2年は、国内だけでなく、輸出にも着手し、中国向けなどで10万足近い販売実績がある。
中小企業庁がバックアップする「経営革新」認定も今年取得したばかり。LED(発光ダイオード)照明や自家ボイラー、太陽光パネル発電などの省エネ対策が進む。約1年前に中野社長の長男が銀行から戻り、後継者も確立した。現在は製造現場で技術習得の最中だが、今後はインターネットによる情報発信など、新たなビジネスモデルも構築していく予定だ。