東京都内で一部のファッション小売店が営業を再開し、好調な売れ行きを示している。いまだに外出自粛の要請は続いているが、来街客は「ファッションを楽しみたい」というモードに。店舗再開してすぐに、商品への問い合わせが殺到している店もある。
東京・上野のジーンズ専門店ヒノヤは、5月14日から上野のJR線ガード下に構える本店だけ営業を再開した。約1カ月ぶりの営業となった初日は、開店午前11時30分から店舗の電話がひっきりなしに鳴り、商品への問い合わせが、たった1時間で十数件もあった。
好天もあって夏物の反応がよく、開店直後にジーンズ1本、アロハシャツ2枚、Tシャツ複数が売れ、店内には常時2~3人が滞留している。
連休明けの今週になって、上野は飲食を含め7割が店舗営業を再開しているという。同店でも「GW以降、上野を歩く人の様子が“何かを楽しみたい”という雰囲気に変わった」(木下一成店長)ため、13日から開店準備を進めていた。
これほど反響があったのは、コロナ問題以前から顧客に強く支持されてきたこともあるが、試着や店員のお薦めを待ちわびていた様子。「顧客あってのロケットスタート」に木下店長は安堵の表情を見せる。
もっとも、「この売れ行きが続くのかは、しばらく様子を見ないと分からない。特に通行客の購買を取れるかどうか。ただ、そうした客も商品や接客がいい加減なところでは買わないと思う。しっかり接客力や提案力を磨いていく」と気を引き締めていた。