阪急阪神ビルマネジメントが運営する阪急西宮ガーデンズは14年3月から12カ月連続増収で14年度(15年3月期)の6期連続増収達成が確実となった。西宮阪急やイズミヤなどの核店舗を含めた14年度の全館売上高は前年比5%前後増加し、780億円以上になる見込み。14年春の改装効果で専門店街が好調に推移していることが大きい。専門店街のポイントカード会員の購買額は、10代後半~30代前半を中心に各年代で増加しているほか、1次商圏だけでなく2次商圏の売り上げも2ケタ増で推移している。
約260店で構成する専門店街の14年度の売上高は前年比約7%増の430億円規模となる見込みだ。都心型の高感度ファッション店の強化と幅広い客層が見込めるカジュアル業態の強化を狙いに、14年3月に専門店街全テナントの約3割にあたる80店を改装し、48店を新規導入した。この改装効果で専門店街の売り上げは増税後の4月12%増、5月16.6%増と2ケタ増となるなど、年間を通して高い伸び率が続いている。
なかでも10代後半~30代前半の購買額が大きく伸びている。約29万人となったカード会員の年齢別の売上高は15~19歳が前年度に比べて2倍以上に増えたほか、20~24歳が30%以上の増加、25~29歳、30~34歳が20%以上増加した。都心型専門店の強化など〝若い世代〟の顧客の維持・獲得を目指した改装の成果とみている。なお、35~39歳、40~44歳、45~49歳も10%以上増加している。
商圏の広域化も進んでいる。昨年4~12月累計で、神戸市東灘区、伊丹市、大阪市淀川区など2次商圏と位置づけている地域のカード会員の購買額が約20%増、会員数も約12%増となったほか、1次、2次商圏以外の購買額も約17%増、会員数約15%増の高い伸びとなった。商業施設の新規開業などで他施設に流出していた層を「呼び戻した」とみている。西宮市、尼崎市、芦屋市などの1次商圏の購買額も約11%増、会員数5%弱の増と足元客の売上高、会員数も伸びた。
今後は「実店舗しか提供できないもの」を強化する方針。屋上ライブなどのイベントの継続的な実施に加え、テナント内イベントも増やしたい意向だ。また、カフェなどの非物販テナントの幅を広げることも計画している。