服地コンバーターの小原屋繊維は、秋冬向けのリネン使いを拡販する。ウール複合や起毛加工で、通年で使用できるリネン素材を開発、カジュアル市場への販売を本格化する。
同社は麻や綿、ウールなどの天然繊維を軸に、国内産地の機屋、加工場と組んで素材開発し、常時400マークをストック販売している。春夏ではリネンにこだわって開発、販売しているが、「この5年で、麻が秋冬シーズンにも求められるようになってきた」ことを背景に、開発を進めてきた。
17~18年秋冬向けで、リネン・ウールとリネン起毛の二つの素材群を開発。リネン・ウールでは一部カシミヤも使い、ウール番手で10番、20番手の比較的太番手の糸でツイードや綾などの織物、裏・綿使いの接結天じくや縮絨(しゅくじゅう)天じくなど10マークを提案する。リネン起毛ではリネンの25番、40番手糸を使った高密度織物などで、毛足の長さが違う5マークを販売する。通常の起毛加工では糸切れして生産できないため、組織を選びながら時間をかけて加工を施した。
2企画とも軽く、ソフトで、ぬくもりとふくらみがある。縮絨などで独特のランダムな凹凸をもった上質なカジュアル感が特徴で、ダブル幅で展開する。ベースは無地で、メンズやレディス問わずジャケットやボトム、コートなど、幅広いアウターアイテムに対応し、「秋冬市場での麻の認知度、存在感を高める」計画だ。