スイスのスポーツブランド「オン」を輸入販売するオン・ジャパンは10月31日、フィラメントをスプレー噴射し、シューズのアッパーを立体成型する技術を活用したランニングシューズ「クラウドブームストライクLS」(税込み4万4000円)を日本で初披露し、抽選販売した。同日にはシューズの発売を記念し、本国担当者を招いたトークイベントを開いた。
(杉江潤平)
【関連記事】「オン」 最新シューズをオートメーション製造、アッパーを3分で成型
新技術「ライトスプレー」は、ロボットアームに装備した足型にフィラメントをスプレーし、3分間でアッパーを自動成型する。35あるパーツを一つに減らすことができ、省スペースで素早く生産できる。このことから、効率化と環境負荷低減を実現する技術として注目される。
パリ五輪女子マラソンでは、同シューズを履いたヘレン・オビリ選手が銅メダルを獲得。高い競技水準にも耐えられることを証明した。
オンラインでトークイベントに参加したイノベーションテクノロジー&リサーチディレクターのニルス・アルトロッゲ氏は、ライトスプレーの開発に「5年を要した」としたうえで、「今後、同技術をシューズ以外のアイテムにも応用し、ディスラプション(革新的破壊)できる」と話した。