寝苦しい夏が終わり、ゆっくりと眠れる夜が増えたのではないだろうか。9月3日は「睡眠の日」(ぐっ=9、すり=3)の語呂合わせが由来)。睡眠は美容や健康に直結するため、意識の高い女性を中心に睡眠時の服装にこだわりを持つ人が増えている。
ワコールがオムロンヘルスケアと共同で行った実験によると、パジャマを着用すると、「眠りに入るまでの時間が短い」「睡眠時に目覚める回数が減る」という結果も出ている。専門店や百貨店向けのナイトウエアメーカー各社は、「ちゃんとしたパジャマで寝る」ことの重要性を、ものづくりや、販促を通じて伝えることに力を入れている。
ワコール・ワコールブランド事業本部
パーソナルウェア商品営業部商品営業課課長
藤原康志さん
『動』『温』『触』をベースに
部屋着、部屋着タイプパジャマ、パジャマと三つに分類すると、東日本大震災以降、部屋着タイプパジャマが最も伸びています。代表ブランドは「アツコ・マタノ」「ツモリチサト」など。「睡眠科学」など睡眠に特化した商品も堅調です。年配の人は元々パジャマを着る習慣がある人が多いですが、健康や美容への意識の高い30代女性がパジャマを見直しています。
ワコールのパジャマ開発のベースとなるのが「動」(睡眠中の身体の動きを考慮した設計)、「温」(快適な温度や湿度にコントロールする素材)、「触」(肌触りの良さ)。素材は綿100%をベースに、夏は接触冷感や吸汗速乾、冬はあったか系など機能素材も使います。「触ったときの驚き」を大事に、素材開発にも力を入れています。店頭で啓発のためのリーフレットを配布したり、各種広告を通じた販促やセミナー開催など、良い睡眠のためにきちんとしたナイトウエアを選ぶ必要性を伝えることにも努めています。