26年春夏パリ・ファッションウィークではミニショーを含めて様々な形のプレゼンテーションが行われた。スタンダードアイテムを異素材のコントラストで見せるレイヤードスタイルが広がった。
(須田渉美)
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「ガニー」の会場は19世紀に建てられた金物工場を改築したバスティーユデザインセンター。ぬくもりのある木製の床や棚に草花を飾り、「夏はすべての人のもの」をテーマに展示した。クリエイティブディレクターのディッテ・レフストラップが幼少期に漁港の街で過ごした夏の思い出をつめ込んだ。
布を結ぶ、ねじるといった身近な手段を生かしながら、テーラードジャケットやロングシャツを思いのままにレイヤード。ランダムプリーツのシフォン、絣風の花柄など色鮮やかなテキスタイルを掛け合わせ、ノスタルジックに見せた。軽くてもこもこした糸を使ったクロシェの花柄セーターを素肌に着たルックもある。


新作のバッグは、ガーデニングバッグをアレンジした「ポージーバッグ」。ファスナーで開閉するふたが付いて、周囲はポケットで覆われる。実用的でキュートなバランスが目を引いた。


「ルオハン」はパリの国立公文書館の中庭で叙情的なプレゼンテーションを行った。デザイナーのルオハン・ニーがイメージしたのは、果てしなく続いていく夏の午後。シンプルなカットで体のラインに沿わせたワードローブに、直線のカットで空の色彩、木々のグリーン、壁に移ろう影の色合いを落とし込んだ。