デザイナー西村直樹さんが開発
自然モチーフのプリントで
デザイナーの西村直樹さんは、病気療養中の子供のための医療服を企画・開発している。現在、朝日新聞社のクラウドファンディングを活用し、事業の認知向上と、資金集めをしている。
友人の子供の死がきっかけ
小児医療服を作り始めたきっかけは4年前、高校時代の友人との再会だった。西村さんは、10年に統合失調症を患い、テキスタイルデザイナーとして勤めていた会社を辞めたという話をしたのだが、友人も長男を亡くしたという辛い経験を語ってくれた。
友人は入院中の子供の着替えが大変だったことや、点滴のときにいつも泣いていたと聞かせてくれた。会話の中で西村さんの印象に残ったのが、「同じ柄は一緒に頑張ろうの印だね」という言葉だ。親子でお揃いのものを持つことで、一緒に頑張ろうという気持ちになれるということだった。
デザイナーとしての仕事を再開していた西村さんは、OEM(相手先ブランドによる生産)のデザイン開発や、「セニモ」というオリジナルのブランド名で服や雑貨を作っていた。友人との出会いから、デザイナーとしてできることは何かと考え、小児医療服の試作を始めた。
アイデアに共感し、応援してくれる人や福祉団体との出会いもあった。以前、自分が関わったプロジェクトでクラウドファンディングを利用したことがあり、小児医療服のプロジェクトでも活用したいと考えた。単に資金集めではなく、「人とのつながり」を作りたいという思いが強かった。
西村さんも障害者手帳を持っているが、そうした人でも頑張っていることや、病気で苦しむ子供を応援したいという気持ちを発信したかったという。