「幻の〝琉球パナマ帽〟を復活させ、世界に発信したい」――この思いで尽力してきた帽子デザイナーの思いが結実しようとしている。帽子ブランド「メゾンバース」などを運営するピリオド代表の清原世太氏は8年間一人で沖縄県に通い続け、6月から米ニューヨークのセレクトショップでの販売(1年間限定)を開始、地元・那覇市でも受注会を開く。
(大竹清臣)
忘れられた特産品
きっかけは10年以上前、古い文献で見かけた「アダン葉帽」という文字だった。当時はネットで検索しても分からず、沖縄まで足を運び、琉球大学の図書館で資料収集に明け暮れた。1~2年、現地で今でも編んでいる人を探してやっと2人と出会えた。沖縄では帽子を編む人を「ボーシクマー」と呼ぶ。その一人の木村麗子さんに賛同してもらい、今回の取り組みが始動した。資料に残っていた素材作り・編み方を手掛かりに、今の手法も織り交ぜながら調べては作るを繰り返した。生産方法は①アダン葉の収穫②ゆでるなど加工前の処理③脱色④乾燥⑤編み⑥帽体まで県内で仕上げる。ここまでで3~5カ月かかる。その後、国内工場で製品化する。
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