11月6、7日に行われたJFWジャパン・クリエーションに参加した東京製革産地振興協議会は特設会場で、ピッグスキン(豚革)のファッションショー「ピッギーズスペシャル」を開催した。7日には東京都内の11の専門学校生が発表し、同日の夕方に行った東京デザイナーのショーには、「チョノ」(中園わたる)、「ミランニ」(根本貴史、伊藤里恵子)、「ニーツ」(新津祥太)が参加した。
チョノは、テキスタイルの意匠をピッグスキンに落とし込み、クラシックムードのスタイルを見せた。ツイードをプリントしたレザーにスエードを切り替えたノーカラージャケットは、ソフトチュールのティアードスカートを合わせ、異なる風合いのコントラストで見せる。シルバーのドット柄スエードのストレートドレスは、メッシュ状にレーザーカットした袖を付け、袖口をボーラーレースに切り替えた。加工の変化、異素材をバランス良く組み合わせ、シックで軽やか、品のある女性像を表現した。
ミランニは、白くなめした薄手のピッグスキンをベースに、クラフト要素を融合し、ドレープの美しいドレスを見せた。テーマは「フィオリ」。テキスタイルデザイナーと協業し、花のモチーフを手描きしてもらった。フレアドレスは肩の部分をひねり、レザーの量感を生かした。オフショルダードレスは、レザーをカットして編み込む手法によってウエストシェイプを強調する。同様にレザーを裂いて編んだローゲージのノースリーブトップもある。革の柔らかな風合いを最大限に生かし、多彩な表情を描いた。
ニーツは和服のパターンを応用したワードローブに、ストリートのベーシックアイテムをミックスした。深みのあるブラックスエードに花を描いたはんてん風ウェアは、ジャージードレスを合わせてシルエットにメリハリを付ける。ジップアップのパーカは、袖や裾をピッグスキンに切り替えてユニークなボリューム。
(須田渉美、写真=加茂ヒロユキ)