デザイナーの佐原愛美が手掛ける「トゥエモントレゾア」は4月26日まで、東京・南青山で新作とともにインスタレーションの空間を開設している。タイトルはセーフスペース「1930-MCMXXX」。建築や写真など、アートの領域を自身のクリエイションに重ね合わせるインスタレーションの4回目。20世紀初頭にフランスで活躍したアイルランド人の女性建築家、アイリーン・グレイの美意識を体感できる空間で、26年春夏のコレクションを展示販売している。
入り口を入ると、柔らかな色味で端正に組まれた直線のフレームが現れる。グレイ氏がパリのボナパルト通り21番地にあった、自身のアパルトマンのためにデザインしたベッドフレームと書棚の家具作品だ。読書のためのオレンジのライトと就寝時のブルーのライトがほっとした気持ちを誘う。「ミニマルな設計に機能美が備わって、そこでどう過ごしていたか、暮らしが見える。彼女の建築を見ていると、自分の服作りもそうでありたいって思うんです」と佐原は話す。とりわけ今回のベットフレームは、色味や全体のバランスもブランドが目指す方向に一致し、「自分の店ができそうと思えた」という。

向かい側に並ぶ26年春夏コレクションは、デニムを引き立てるシンプルなワードローブに、素材やカットにこだわった機能美が反映される。透け感のあるコットンローンを使った白シャツは、体に付かず離れずのシルエットで清涼感がある。裾を直線でカットし、きりりとした印象で見せる。
デニムを美しく着こなすTシャツを突き詰め、一段と充実させたのはハイゲージのカットソーだ。丁寧な運針でステッチラインをディテールのように感じさせる。半袖や長袖に加えて、ポロシャツも揃えた。

