独自のカッティング、こだわりのフェイク素材…
ファッションの楽しさをもう一度――。合同展示会「プラグイン」(繊研新聞社主催)では、おしゃれ心を呼び戻す凝ったデザインの婦人服が充実した。独特のカッティングで珍しいシルエットを作り出したり、本物と見間違えるようなフェイク素材を使ってくせを出すなど、数シーズントレンドだったシンプル・ベーシックな傾向とは対極にあるようなデザインが目立つ。(カッコ内はブース番号)
「アントゲージ」(AH-19)は世界各国のストリートカルチャーとワーク、ミリタリーといった機能的で美しいデザインを、独自の視点で融合させた〝洗練されたカジュアルウエア〟を提案。クオリティーの高いデニムファクトリーが集結する岡山を拠点に、女性デザイナーを中心としたクリエーティブチームがデザインする。
パネル状に色を分けたジーンズは甘織りの柔らかく軽いデニムにレーザー加工でパッチワーク風のグラデーションにし、大人の女性がはける上品な加工デニムに仕上げる。ダメージ部分には裏からあて布をあて、素肌が見えない仕様になっている。
「ヒデノブヤスイ」(AF-15)の16~17秋冬シーズンのコレクションテーマは〝フロウ〟。時や物事の流れからインスピレーションを受けてカッティングや柄などに反映する。ハイネックドレスは袖付けが前後でずれたカットソーのドレス。ノッチドラペルストールベストはジャケットの襟をあしらったベストとストールを組み合わせたアイテム。ツータックの超ワイドパンツはストライプ柄で、極太のシルエットとなっている。そのほか圧縮ウールニットからシフォンにグラデーションで素材が変化するロングカーディガンや、コクーンシルエットのドレスなどデザイン性の高い商品を販売する。
「トラデュイール」(AH-11)はカシミヤファーロングベストを出す。カシミヤファーは頭数制限の関係などから流通量が限られている希少な素材。そのほか染めにこだわったフォックスファーなど、厳選された素材をぜいたくに使用する。ベストやストール、肩にかけるティペットなど、着こなしのアクセントとなる新しい感覚のファーアイテムを揃える。
◇◇◇前回展のグランプリ◇◇◇
服飾雑貨メーカーの吉田
ユニークな猫柄の雑貨
前回展で見事、「プラグイン・グランプリ」に輝いた服飾雑貨メーカーの吉田(東京)は、動物モチーフの雑貨ブランド「ハグミー」(AH-41)から派生し、15年に立ち上げたセカンドライン「ハグニャン」を打ち出す。猫モチーフのデザインが特徴。ユニークな猫の刺繍をツイードやキャンバス地のトートバッグやポーチ、羊革の財布などの服飾雑貨にあしらう。刺繍作家の沼田真央さんが手掛ける雑貨ブランド「タマオ」との協業品もある。価格は刺繍ブローチ2500円~財布2万7000円。ハグミーでは、「ディズニー」や「スターウォーズ」との協業商品も披露する。