22~23年秋冬ミラノ・コレクション プラダ、実用服とイブニングの出合い

2022/03/01 10:59 更新


 プラダは、歴史に試されたスタンダードアイテムを進化させ、今の時代にモダナイズさせた。テーラードジャケット、ミリタリーブルゾン、ツイードタッチのコート、白いタンクトップ。伝統を背景にしたアイテムが生地の切り替えや丈の変化、ハンドクラフトを生かした刺繍によって新しいニュアンスが加えられる。それにより、マスキュリンなスタンダードアイテムに女性らしさや新鮮な驚きを添えていく。

 白いタンクトップはラメや透け感の布と切り替えてストレートドレスに。ミリタリーブルゾンはスパンコールや刺繍を散りばめてブルゾンドレスのようなアイテムに作り替えられる。ヘリンボーンコートはふわふわとしたフェイクファーの毛足を袖や裾にのせる。テーラードジャケットやMA-1は、袖に飾ったフェザー刺繍がふわふわとした動きを作る。

プラダ
プラダ
プラダ

 グレーのスカートスーツはプラダらしい凛(りん)とした空気をはらんではいるが、スカートパーツが透け感の布に切り替えられる。重厚なレザーコートもチュールパーツを切り替えたスカートとの対比で、量感にコントラストを作る。襟元をぎゅっと引き締める白いハイネックトップは禁欲的なムードを描くのに対して、スカートパーツの透け感が開放感となる。

 秋冬は、「人生と暮らし、日常の出来事を記念したもの」。伝統を背景にした実用的なアイテムを、イブニングウェアの言語と組み合わせて新しい意義や重要性を与えたものとなった。

(小笠原拓郎)

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