東京ブランドの１６年プレフォールコレクションは、１６年春夏に続きフェミニンなムードが広がっている。凝った装飾や上質な素材、クチュールに由来するテクニックなどを取り入れて、各ブランドが個性を追求している。
「ミュベール」（中山路子）が着想源にしたのは、「西洋から見た日本」。深緑と紺、えんじなどの色合わせや、きもの風のスリーブ、アジサイやツバメといったモチーフで、ほんのりと和のムードを漂わす。落ち着いた色調、つやっぽいデザインが、従来よりも大人のイメージだ。
「ミュベール」レースドレス5万9000円、カーディガン6万8000円
アジサイ柄プリントのプリーツブラウスに、かんざし飾りのようにビーズ装飾が揺れるシャツやニットトップ。リブニットのスカートは深いスリットからライナーがのぞき、キャミソールはランジェリーのようなレース使いだ。「ミュベール・ワーク」はデニムやチノパンツなどエッセンシャルなアイテムに型を絞り、中山の世界を強く打ち出すクリエーションラインを新たに立ち上げた。
「ビューティフルピープル」（熊切秀典）は、マドレーヌ・ヴィオネのバイアスカットを研究し、ブランドらしいフィルターを通して表現した。「ロロピアーナ」のスーツ地で作るジャンプスーツは、バイアスカットから生まれるたっぷりとしたドレープがポイント。白黒のエレガントなドレスは、ヴィオネのくさび型のカッティングから着想し、ウエストの切り替えから裾に向かって量感を出した。
「ビューティフルピープル」ジャンプスーツ11万円
ダーツで立体的なフォルムを作ったドレスもある。くさび型のカットから星を連想し、「スターになりたい」というメッセージとともに星のモチーフを散りばめているのが、このブランドならではの遊び心だ。
