オリジナルブランド「ダコタ」などで知られるレザーグッズ卸・販売のプリンセストラヤ。近年は公式サイトと連動した自社ECの構築に注力。ブランディングを強化しつつ、売り上げの中でのECモールへの依存度を下げてきた。「強みは顧客に寄り添った、質の高いカスタマーサービス」とし、〝デジタル〟と〝人〟の良さが融合したECへと成長を進める。
――自社ECを始めたきっかけは。
動き出したのは約10年前。複数の大手ECモールへの出店から始めました。自社ECを立ち上げたのは約6年前からです。ブランディング強化のために、公式サイトとSNS発信を充実させ始めたタイミングで、それらと連動させる形でスタートしました。売り上げの全てをモールに依存するのは危険だと考え、リスク分散をしたいという意図もありました。
――モールと自社ECの売り上げ比率は。
5対5を目標としていますが、現状は大体モール6割、自社EC4割くらいです。少しずつ自社比率は高まっていますが、もっと伸ばしたいところです。
――自社ECの強みは。
お客様からの問い合わせへのスタッフの対応力の高さです。革製品は手入れや素材特性など、専門的な質問が多い。それらに丁寧に答えているので、大きな信頼を得られています。手書きの礼のお手紙を頂くことも多く、ありがたいです。新商品をスピーディーにECへ掲載する体制も強みです。写真撮影をアウトソーシングして、とにかく早く掲載する。卸先が当社の自社ECをカタログ代わりに使えるというメリットもあります。
――課題は。
公式サイトのブラッシュアップを急ぎます。よりスタイリッシュで、ブランドの雰囲気が伝わるデザインにしていきたい。ブランディングがうまくいけば、卸先もより売りやすくなります。同時に自社ECのUI(ユーザーインターフェイス)も改善していきます。タグ付けを細分化することで、疑似的なウィンドーショッピングを楽しめる形にするのが理想です。
修理サービスの受け付けを自社ECで一本化する計画もあります。現在はそれぞれ、販売した店で受け付けていますが、これを直接引き受ける体制にしていきたい。お客様の利便性も高まりますし、私たちの強みである顧客サービスをフルに生かせます。