服も本もリアルな場が重要 個店オーナーがイベント

2018/09/12 06:27 更新


 東京・恵比寿でメンズショップ「Pt・アルフレッド」を運営するジャックロビーの本江浩二代表は、三省堂書店神保町本店と協業して期間限定コーナーをこのほど開設し、トークイベントも開いた。

(大竹清臣)

 「神保町は、今は古本が有名だが、かつてはファッショナブルな大人も多い文化の街だった。もう一度おじさんの需要を掘り起こしたい」と本江代表。ネットで何でも買える時代となり、洋服屋も本屋も厳しい環境にあるが、互いに人が集うリアルな空間の強みを生かせば面白いことができるという。

 期間限定コーナーで本江代表がおじさんを主対象に推薦する書籍100冊を選び展示するとともに、自店で扱うブランドから厳選した「佐藤防水店」の帆布バッグ、「スイープ」のシャツ、「MXP」のTシャツ・トランクス、「スタンレー」の水筒、オリジナルのソックスやハンカチなどを販売した。

 トークイベントは初日の閉店後に開催した。自著『オヤジの着こなしルール・悩みをアジに変える』でモデルも務めた元NHKアナウンサー、国井雅比古氏をはじめ、ファッション雑誌編集者や業界関係者と本江代表がトークセッションした。「ファッションと無縁だった男性でもきっかけさえあれば洋服に目覚める」「ネット検索しても、たどり着けない知識が古書にはある」「東京の街が激変する中、変わらない街、神保町は貴重な存在」などの意見を交わした。

本江代表(左)と元NHKアナウンサーの国井氏
閉店後の店内でトークイベント


本屋の手法活用し広いテーマで編集

■秋山弘毅三省堂書店企画事業部商材開発室長の話

 神保町本店の1階には雑貨店「神保町いちのいち」が併設されています。「毎日をちょっと豊かにする日用品」をコンセプトに作り手の思いが伝わる作品などを揃えています。クリエイター作家の展示販売やワークショップなどイベントも多彩で客層の間口も広がります。本屋の手法を活用した幅広いテーマ性で密度の高い売り場編集が特徴。丸の内や国分寺など都内のほか、名古屋など計12店を出しています。

 今回のような異色のイベントも新たな価値を創出できると思います。ネット検索で単品を探しているだけでは気付かない、リアルな場ならではの出会いや発見があるのが楽しいです。洋服屋も、本屋のように買うつもりがなくても気軽に入れる敷居の低さが必要でしょう。

本江代表プロデュースの期間限定コーナー
選び抜いた本と服、雑貨を編集


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