館内のロボット配送を実証実験 「イーアス高尾」で安全走行などを確認

2025/04/10 06:27 更新


ロボットと物流の2社が共同で館内で安全性などを検証

 ロボットの開発・提供・導入コンサルティングのQBIT Robotics(キュービットロボティクス、東京、中野浩也代表)は、大和物流が館内物流業務(施設に入居する複数のテナントに対して荷物の配達・集荷を一括して行う業務)を行う商業施設「イーアス高尾」で、配送ロボットを用いた実証実験を行った。安全性や運用の課題を確認し、将来的な物流効率化の実現可能性を検証するのが目的。ドアの開閉などに課題を残したものの売り場への配送が可能なことを確認した。

 大和物流は、商業施設やオフィスビルで館内物流業務を担っており、人口減少に伴う人手不足が深刻化するなか、持続的かつ安定的な運営モデルの構築が重要課題となっている。これを背景に「施設共用部における配送ロボットの走行時における安全性」や「テナント向け集配作業の自動化の実用可能性」を検証することを目的に両社が連携して実証実験を1月末に3日間実施した。

 実証実験は、多くの来館者が行き交う中、ロボット走行の安全性、ロボットを使ったテナント向け配送業務自動化の可能性、ロボットを館内配送業務に活用する際の課題の洗い出しを目的に行った。荷さばき場からバックヤード、共用部を経由し、3店への小型荷物の配送と、インフォメーションカウンターから共用部やバックヤードを経由し、防災センターまでの拾得物の配送を行った。

 結果は、人が近づいた際に音や光を発する装置をロボットに装着し来館者への注意喚起を効果的に行ったことで非常停止などのトラブルは発生せず、安全性が確認できた。施設バックヤードから館内共用部に出る際のドアの開閉については課題が残ったものの、ドアの自動開閉を可能にするロボットのカスタマイズ条件を確認することができた。売り場への配送については、店舗内レイアウトを見直すことで店舗内部への配送が可能となることを確認した。



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