ECにおける返品や交換業務の自動化サービスを提供するリカスタマー(東京)は、12月中旬をめどに「0円決済」の仕組みを提供する。従来のようにユーザーが決済してから自宅に届くのではなく、手元に届いてから決済する。事業者は自社サイトに導入し初回購入のハードルを下げ、販売機会を広げる。辻野翔大COO(最高執行責任者)は、「高単価な革靴など相性がいいのでは」と話している。
中核サービスは「リカスタマー・リターン&キャンセル」で、導入すると人件費などカスタマーサポートの対応コストを激減できるという。アパレルの場合、問い合わせの約半分が返品・交換なので自動化により、その部分はなくなる。ユーザー側も佐川急便や一部コンビニエンスストアを通じた返送が簡単にできる。「9090」や「ハーリップトゥー」「コヒナ」「ソージュ」などDtoC(メーカー直販)ブランドが多く採用している。
新サービス導入のメリットは、事業者は商品を取引先に届けられやすくなるため販売機会の拡大が期待できる点。副次的だが、返品の際に聞いている返品理由と同様、購入の理由も取得でき、事業者の商品やサービス改善につなげられる。返品、購入理由ともに客観方式で、「カラーが違った」「サイズが異なった」など事業者が管理画面で自由に設定できる。
同様に、決済プロセスも自在に設定可能。お試しや決済、返送の期限、期間が過ぎた後の強制決済、リマインドメールの自動化などができる。今回の新サービスは「リカスタマー・リターン&キャンセル」とは別プロダクト。大手ではアマゾンがプライム会員向けに同様のサービスを提供している。