「リロア」の川端さん 「超撥水」のウェアを海外にも

2019/04/10 06:26 更新


 「驚異の超撥水(はっすい)」が売りのTシャツ、パーカ、ジーンズなどのメンズブランド「RE:LORE」(リロア)。クリエイティブディレクターを務めるのが、35歳の川端基幹さんだ。このほど、クラウドファンディング(CF)のマクアケでデビュー。目標額50万円に対し、約1400人、1104万円の支援を得た。早期に生産・販売ルートを整備し、国内外での販売を目指す。

(山田太志)

業界の仕組みに疑問

 川端さんは金沢市出身で、新潟で大学時代を過ごした。小規模のアパレル専門商社で企画、生産、営業と様々な経験を積んだ後、レディスアパレル企業に転職。新しいプロジェクトの社内公募に、「15年来の念願だった」メンズブランドを提案した。しかし、レディス中心の会社ということもあり、提案が実ることはなかった。最終的にその企業とは業務委託契約に切り替え、自らブランドを立ち上げることにした。

商社、レディスアパレルから転身した川端さん。ジーンズソムリエの資格も持つ

 かねてから業界の原価設定、品揃えや生産のあり方、セールの仕組みなどに疑問を感じていた。「デザイン、素材に妥協せず、リーズナブルな商品を打ち出せれば成功するはず」。一定の自信はあったが、それでも「スタート時は、何か目立つものがないと難しい」。思い浮かんだのが、3年前に出会った撥水素材だった。

 素材は、イタリアのプレミアムオープンカーの幌(ほろ)にも使われる、日本製の撥水溶剤をベースに加工する。コットンを中心とする天然繊維の本来の風合いや色などを維持したまま、撥水性はもちろん、通気性や透湿性を損なわない加工を目指した。試作を重ねながら、1年以上かけて商品が完成。「よその撥水機能のTシャツを何十枚と買って比べながら、試行錯誤を繰り返した。とにかく着てもらえればわかるはず」

天然素材の良さを損なわず撥水性、通気性など実現

値段以上の価値を

 Tシャツ、パーカは生地、ジーンズは製品を加工する。マクアケで第1弾として出したジーンズは8050円。原価率40~50%の商品自体の価値をアピールし、ブランドロゴはあえて目立たなくした。「自信のあるアイテムに絞り、セールはせずに売り切る形を前提にすれば、この価格が可能。絶対に『お値段以上』の価値がある」と力を込める。

 生産は、前職時代から長年の付き合いのある中国浙江省嘉興市のメーカーに依頼した。職人肌の社長で物作りに定評はあるが、販売は素人で、今回のCFも半信半疑だったという。CFでの反応を弾みに、職人社長と協業しながら次のステップに進む。日本の複数の専門商社も興味を示し、プロジェクトに参加する意向を示しているという。

 まずはCFの顧客に着実に商品を届けた後、レディスやキッズなども手掛ける予定だ。売り方はECを基本に、一部期間限定店なども検討している。日本だけでなく、欧米にも広めていく考えだ。「価格競争力は大事だが、工場に無理を押し付けたりしない。理想論と言われるかもしれないが、まずは今回のCFで第一歩を踏み出せた」と笑顔を見せる。

川端さんはジーンズソムリエの資格も持ち、ジーンズはイチ押しのアイテム


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