レディスブランドの「シー」(ピア、東京、電話0120・548・642)は、柳田梨恵さんが07年に立ち上げたブランド。柳田さんがピアの代表も務めている。「着る人の内面を引き立てる服を」との思いで作るシンプルなカットソー類やジーンズは、どれも日本製で細部までこだわったものばかり。11月には、同社初の直営店「S‐ストア」を、東京都世田谷区深沢に出す。彼女自身の個性や生き方もブランドの魅力につながっており、16年1月には、宝島社から柳田さんの書籍が発売される予定だ。
女性の意識が変化
「外から見えない部分や付属品まで、しっかり作り込んでいます」と柳田さん。レディスウエアは一般的に、ぱっと見た時の印象が重視されると言われがち。しかし、シーではビンテージ品の仕様を再現した岡山生産のセルビッジデニムパンツ(2万6000円)や、旧式の編み機で作った丸胴のTシャツ(1万2000円)が代表アイテムになっている。シンプルなものやビンテージ品に対する彼女の愛着が反映された商品だ。
16年春物は、シルク100%のニットプルオーバーや、メンズ工場で縫製したダブルフロントのジャケットも企画した。客層は30代を中心に、20~50代近くと幅広い。「以前より、素材やディテールに興味を示す人が増えてきた」と、女性の意識の変化を感じているという。