イタリアで「最古」とされるジーンズブランド「ロイロジャース」が日本での販売に乗り出す。本国のほか欧州での販売が主力だったが、近年はジーンズ以外のアイテムも拡充してトータル化を進めており、直営店も出店するなどブランドイメージ向上と輸出の拡大に乗り出している。
ロイロジャースは、フィレンツェで1949年に創業したセブンベルが始めた。ファイブポケットのジーンズをワークウエアとして生産していたが、60~70年代にかけてファッションブランドとして販路を広げた。現在、1000件の卸売り先がある。伊・生地素材博物館によると、同社はイタリア最古のジーンズメーカー。
5年前に創業者の3代目が経営に携わるようになってからは30~35歳向けのカジュアルブランドとして、トータル化を本格化した。ジーンズはスリムから太目まで12のフィットがあり、デニムはアメリカのコーンミルズ製や日本製を使っている。アウターはアウトドアやトラッドのディテールだが、ウール地の裏に防風の皮膜を組み合わせるなど機能性も重視しているのが特徴。ダウンなど一部を除き、ほとんどがイタリア生産だ。
ブランドイメージを高めるため、ここ数年でフィレンツェ、ローマ、ナポリなどに直営店を出し、今月はミラノにも出店する。M―65型のジャケットで知られるイタリアの「アスペジ」やイギリスの本格靴「トリッカーズ」などの有力ブランドと協業した商品も相次ぎ発表している。
本国以外ではスペイン、フランス、ベネルクス3国に販売実績があるが、今後は欧州でドイツ、英国にも市場を広げ、トルコやロシア、カナダにも進出する考えだ。日本ではジーンズで2万円台後半~3万円台半ば、アウターで5万~10万円、トップ2万円台。高級カジュアルとして大手百貨店やセレクトショップでの販売を狙う。
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