リュウノスケオカザキは(岡﨑龍之祐)は、4年ぶりにファッションショー形式で新作を披露した。それはボーンを生かした立体的な造形ドレス。ストレッチ性のある素材にボーンの枠組みを入れて立体のフォルムを作り出す。造形は羽を揺らすチョウのようでもあり、ロールシャッハの図版のようでもある。
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これまで岡崎の服はコスチュームあるいはアート的な要素が強すぎて、ファッションデザインとしてそれをどうこなすかが問われてきた。そのデザインの在り方はパリのオートクチュールで見せる「イリス・ヴァン・ヘルペン」とも重なって見えたし、骨組みを使ったデザインという点ではロンドンの「クレイグ・グリーン」との共通点も感じてきた。しかし、両者がクチュールデザイナーあるいはプレタポルテデザイナーであるのに対して、岡崎はこれまでプロダクトとして成立させてこなかった。
今回の特徴と言えるのは、ボーンを入れた抽象のフォルムでありながらも、プレタポルテへの進化の過程にあること。ボーンを入れたベルベットのマーメイドドレス、いびつな曲線を作るスカート。かたや造形のアートピースがありながら、もう一方でプロダクトへとアプローチしている。


ボーンと布というシンプルな構成であるがゆえ、それを発展させればさまざまなフォルムを作ることができる。持ち運ぶときは骨組みと布に分解できるというコンセプトも、イッセイミヤケの「プリーツプリーズ・イッセイミヤケ」のようなプロダクトデザインとしての可能性を秘めている。問題は、どれだけその造形美を発展させられるかであろう。プロダクトへとアプローチしながらも、美しさのレベルを進化させていけるのかもまた問われている。

(小笠原拓郎)
