三陽商会ニューヨークは、メンズウェア見本市「マーケット」17年春夏展に出展した。ニューヨーク・メンズコレクションに合わせて開催した他の見本市は初日の日曜日はバイヤーが少なかったと口を揃えたが、三陽商会では、初日から多くのバイヤーが訪れたという。マーケットは「プロジェクト」と同じ会場で併設する形で行われたが、マーケット、プロジェクト合わせて、日系の出展社は三陽商会のみだった。
今回は、撥水(はっすい)性があって軽く丈夫なコットンの「ベンタイル」で仕立てたコートを久しぶりにアメリカに持ち込んだ。アメリカではポリエステルやコットンポリエステル混の需要が多かったが、ベンタイルならではの風合いと手作り感が素晴らしいと、専門店から高く評価された。日本では「花粉がついても落ちやすい」ことを売りの一つにしているが、アメリカではそう説明してもあまり効果がないという。
形はバルマカーンが2型。春夏なので軽く羽織りたいという意向から、ハーフスタンドカラー付き(卸売価格375㌦)が特に良かった。
三陽商会のアメリカでの稼ぎ頭はホワイトレーベルで、レッドレーベルは西海岸を意識している。見返しやフラップなどに明るいチェックを使い、ボタンも明るいブルーや赤をつけたものが好評だった。合計10個のポケットをつけ、機能性がありながら軽く仕上げている。(ニューヨーク=杉本佳子通信員)