セーレンはユニチカから買収する岡崎事業所(愛知県岡崎市)の社名をNBセーレンにすると発表した。代表にはセーレン元社長の結川孝一氏が就く。新会社とのシナジーとして、不織布を使った住宅壁下地シートなどを想定する。
【関連記事】セーレン 岡崎事業所を新規事業立ち上げの拠点へ
NBはユニチカの前身であるニチボー(旧大日本紡績)にちなみ、新生の「New Born」の意味も込めた。売却手続きは、ユニチカが受け皿となる完全子会社を設立し、岡崎事業所のポリエステル重合事業及びフィラメント事業、スパンボンド不織布事業、産業繊維事業に関する権利義務を承継させた。この全株式を26年1月1日にセーレンが譲受し、同時に新社名に変更する。
代表就任予定の結川氏は14年6月から18年3月末までセーレンの代表取締役社長兼経営執行責任者を務め、退任後は非常勤顧問になっていた。結川氏起用について川田達男会長兼最高経営責任者は「20年前にKBセーレンをカネボウから買収した際に、総責任者として手続きなどの経験を持っている。我々の人材の中で一番適任」と説明した。
想定するシナジーとしては不織布及び機能性差別化原糸を挙げる。ポリエステル製のスパンボンド不織布は、住宅外壁の下地に使われる防水透湿シートをセーレンで事業化しているが、原反からの一貫生産体制を構築する。このほか車両内装材向け合成皮革の基布への活用、織物で展開している防草シートのラインナップ拡大に取り組む。機能性差別化原糸ではKBセーレンとの協働により、原糸の効率生産を見込む。また車両内装向けの原着糸生産、高強力糸を活用したエアバッグ基布の開発を進める。
このため、維持更新に100億円を投じ、これとは別に新規ビジネス拠点として100億円投入する。