繊研新聞社が毎年5月に全国の服飾系専門学校の学生を対象に行っている「ファッション意識調査」(回答者数1505人、男性19・9%、女性79・5%、不明0・6%)で、「よく買うブランド」と「好きなブランド」をたずねたところ「ザラ」が1位となった。前回まで、よく買うブランドでは「ユニクロ」が8年連続の1位、好きなブランドは「コムデギャルソン」が2年連続で1位だった。この二つの設問で海外SPA(製造小売業)が1位になったのは初めてで、日本市場への浸透ぶりを示す結果となった。
よく買うブランドは1位ザラ152人(複数回答、前年99人)、2位ユニクロ138人(116人)で、ともに数を伸ばしながら1位と2位が逆転。「ジーユー」も102人(35人)と大きく伸ばし、前年の5位から3位に上昇した。一方で過去4年、3強の一角を占めてきた「H&M」は84人(97人)で4位となった。
この他、内外の有力SPAブランドも伸ばし、定位置の10位以内の座を守って安定した強さを見せた。デザイナー系では唯一、前年4位だったコムデギャルソンが10位に踏みとどまった。11~20位で票を伸ばし、順位を上げたのは「イーハイフンワールドギャラリー」「マウジー」「スナイデル」「ウィゴー」「エモダ」「ニコアンド」。
好きなブランドも、ザラが68人(49人)と得票を伸ばして初の1位。2位コムデギャルソンは65人(89人)。13年まで9年連続で1位、過去2回が2位の「ヴィヴィアン・ウエストウッド」も64人(44人)で接戦の中、3位となった。
そのほか10位内では、「サカイ」が9位から4位に、「マメ」が圏外から10位に躍進し、新世代のデザイナーの台頭も見られた。ラグジュアリー系でも、若返りで話題の「グッチ」が圏外から7位に浮上。デザイナー交代で注目される5位「サンローラン」、6位「ディオール」も前年に続きトップ10に入った。
新たに10位内に入ったのは8位のスナイデル、復活したのは9位の「アースミュージック&エコロジー」。服飾専門学校生らしく10位内はデザイナー系中心の布陣で、11~20位は大手SPAとデザイナー系が拮抗(きっこう)し、時流を反映する形となった。