丸井は25日、東京・有楽町マルイのメンズ売り場ビサルノでLGBT(性的少数者)の就職活動生のスーツ探しを応援するイベントを実施した。
特定非営利活動法人レビット(ReBit)と共同で行った。レビットはLGBTを含む全ての子供がありのままで大人になれる社会を目指す組織。今回は就活に取り組む学生や、社会人のLGBTを対象に予約を受け付け、8人のスーツ選びをサポートした。8人に絞ったのは、LGBT同士でも悩みをオープンにしたくない傾向があるため。1人1時間ずつ応対した。
イベントに参加した大学2年の川島裕さん(仮名)は体は男性のXジェンダー(男性、女性のいずれにも定められない)。「大学受験時に着たメンズスーツに違和感を感じた。ジャケット、パンツ、シャツはレディス、靴はメンズの希望をすんなり受け入れてもらった。商品を提案していただき、望みに近いスーツを選ぶことができた」と話した。接客、商品選びに満足感を得たという。
同社は靴などで多サイズを展開しているが、店頭情報やSNS(交流サイト)を通してLGBTの購入が多いことがわかってきた。LBGT応援イベントのレインボープライドに靴のブースを出展し関心の高さを受け止めたことも踏まえ、就職活動でのスーツ探しに苦労していることに注目し、イベントを開催した。特に一般の店では性的な意識の実情を相談しにくいこと、サイズが少なく合う商品がないことに対応した。今回募集した8人の枠は初日に埋まり、「LGBTの潜在的な需要はかなりあるのではないか」と見ている。