「シブヤ109ラボ所長の#男子コスメの実態」

2019/08/09 11:00 更新


 最近、ハイブランドのコスメでもメンズラインが登場していることもあり、メンズコスメ市場の動向に注目している方も多いのではないでしょうか。

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「男性用」は意識せず

 シブヤ109ラボでは定期的にアラウンド20(15~24歳)男子を対象にグループインタビューを実施しており、メンズコスメへの関心が少しずつ高まっていることをリアルに感じています。

 現状、ファンデーションやアイメイクなどをしている男子はまだまだ少なく、美容専門学校に通っている感度の高い男子でも、実際にメイクをしている人はクラスに1、2人だけのようですが、ファンデーションを中心に、今後は更に増加していくと予想しています。

 アラウンド20男子にとって化粧水・日焼け止め・リップクリームの利用はもはや当たり前で、最近は脱毛に興味がある人も増えています。スキンケア商品については、人の目が気になり始める中高生の頃から利用し始め、母親や彼女と共用することも少なくありません。近年は男性用のスキンケア商材も多く見られますが、あまり「男性用」を意識して選定することはないようです。

 先述した通り、実際に女性のようにフルメイクをしている人はまだまだ少ないのですが、コンシーラーや透明の化粧下地を日常的に利用しているアラウンド20男子もいます。色つきの化粧下地やファンデーション・リップを中心に、「実際に使う機会があれば試してみたい」という意向もあり、本人たちも今後は男性がメイクをすることが一般化するだろうという意識があるようです。

女性目線でもアリ

 メイクへの関心が高まっている要因として、Kポップのアイドルの影響が大きいと考えています。Kポップはアラウンド20女子だけでなく男子の間でも人気で、髪形やファッションをまねることは広く行われています。男性Kポップアイドルはメイクをしていることが多く、メイクを始めるきっかけとしてKポップを挙げる男子も見受けられます。

 全体的に「肌をきれいに見せたい」「清潔感がある印象を持たれたい」という意識が高まっていることもあり、Kポップに触れていない男子の間でも関心が高まっているのではないでしょうか。

 コスメを使うことに対して「恥ずかしい」という気持ちはなく、どちらかというと「使い方が分からない」というハードルがあるため、それが解消できれば今後更に普及していくでしょう。

 アラウンド20女子100人に、「メイク男子」について単刀直入にアリかナシか調査をしたところ、82%が「アリ」と回答し、そのうち35%が「既に周りにメイクをしている男子がいる」という結果となりました。男子のメイクについてもアイブロー・ファンデーション・カラコンなど、幅広いメイクに対する許容が確認されています。


 女子にどう思われようが己の信じた道を突き進んでほしいですが、「女子からの目線」を意識しがちなアラウンド20男子にとって、このアンケート結果が彼らの行動の後押しをするきっかけになるとうれしいです。

●長田麻衣(おさだ・まい)
 シブヤ109ラボ所長。総合マーケティング会社で、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て現職。毎月200人の若者と接する毎日を過ごしている。好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。今年の目標は、若者に関する講演に講師として登壇すること。そして大人っぽさと透明感を兼ね備えた女性になること。


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