先日、「シブヤ109ラボトレンド大賞2019」を発表いたしました。
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「ヒト」「アーティスト」「ドラマ・番組」「コスメ・スキンケア」「ファッション」「カフェ・グルメ」について、12人の高校・大学生とともに、各部門のノミネート一覧を選定し、渋谷109来館者300人へのアンケート調査で大賞を決定いたしました。令和元年、アラウンド20(15~24歳の男女)の間でトレンドとなったものをいくつ知っていますか?
「異名」が話題に
若者の心をつかみ、トレンドとなるものの共通点としては、昨年に引き続き「親近感があること(身近な存在に思えること)」と「応援したくなること」ですが、今年はそれに加え、「SNS上で共通言語が生まれ、語られること」も特徴として挙げられます。
たとえば「ドラマ・番組部門」では、視聴者同士で盛り上がるコンテンツ、中でも活発に「考察」されたものがランクインしています。第1位の日本テレビ「あなたの番です」は、ツイッターで「#あな番考察」のハッシュタグ投稿が大いに盛り上がり、ユーチューブでは考察動画が投稿されるなど、推理の共有・意見交換がされていました。第3位のアベマTVの恋愛リアリティーショー「オオカミちゃんには騙(だま)されない」でも、「オオカミちゃん」が誰なのかを予想する動きが多く見られました。
「コスメ・スキンケア部門」「ファッション部門」では、商品名とは別に「異名」がつけられたものが話題となりました。
「コスメ・スキンケア部門」第1位のロート製薬「スキンアクアトーンアップUVエッセンス」は「#ラベンダー日焼け止め」という名前のハッシュタグでSNSで認知されました。第2位の「ブラウンリップ」は多数のブランドから発売されていますが、中でも「ちふれ」の人気が高く、リップの色番「#748」のハッシュタグで話題となりました。第3位の韓国の化粧品ブランド、イニスフリーの「ノーセバムミネラルパウダー」は、「韓国の国民パウダー」「すっぴんパウダー」として浸透しています。
これらの商品は、ユーチューバーが商品を紹介したり、インスタグラムで話題になったことから、店頭で品切れが続出するという現象も起きています。
自然発生的に
「ファッション部門」でも、今年はベージュを基調としたスタイルと、全身を同系色でそろえる「ワントーンコーデ」がトレンドでしたが、「#消えそうな色コーデ」という異名で語られていました。
これらはSNS上で自然発生的に生まれたもので、他にも多数存在しており、実際にアラウンド20たちはSNSでこの異名を検索し、情報収集しています。アラウンド20にしかわからないワードも多くありますが、同じ嗜好(しこう)を持つ彼女たちの間で共通言語となり、分かりやすく端的に商品の魅力を表現する異名は、そのキャッチーさからSNS上で語られやすくなっていることがポイントです。
(繊研新聞本紙19年12月13日付)