2ケタ減益で「14年度はさんざんだった」と話すのは、しまむらの野中正人社長。15年度の建て直しを期す。
そのための重点の一つが商品ごとの発注数量の拡大だ。10万から100万にするなど「1ケタ増やす」ことでコストを下げ、粗利益率の引き上げなどにつなげる。かつて〝売り切れごめん〟でバラエティーを持ち味にしていたが、トレンドが見当たらずベーシックが主戦場になる中での施策だ。
「2種類でいいのに4種類揃えていた」といい、類似の三つ目、四つ目は「心配なバイヤーの保険でしかない」。結果的に、多品種小ロットで効率が上がらないから、品質は上がらず、コストも下がらない。
そこで「無理やりにでも発注数量を上げる」といい、不安を抱えるバイヤーに対し、数量の決済に部長、役員が関わるようにした。「責任は部長、役員が持つ。それでも決められないなら、私のところに持ってくるように言っている」。浮上に向け、社長の責任で絞り込みをかける構えだ。