25年春夏向けの合同展「シューズ・フロム・イタリー」は、クラフト的な価値を高めたシューズやサンダルの提案が広がった。スニーカーも増えているが、普段使いのしやすいベーシックスタイルに装飾性を加え、スマートな見え方へと進化させている。
(須田渉美)
説得力あるディテール
円安で小売価格が割高になっても、説得力のあるディテールやテクスチャーが目を引いた。
「ナポレオーニ」は履き心地の良さに定評のあるサケット製法のスリッポンで、上質感のあるステッチ装飾を施したモデルを揃えた。緩やかなスクエアトウのラストで、ゴールド色のレザーを使って女性らしいムードで見せた。FOB(本船渡し価格)で61ユーロ。
「ルカグロッシ」の新作はナチュラル感のあるテキスタイルを使ったローファー。レザーのコードで縁取ったディテールなど、革靴と作りは変わらない。ラインストーンを組み合わせたビットで都会的な華やかさを添えている。73ユーロ。
初出展の「ヒストリー541」は、ナポリを拠点にするファクトリーの自社ブランド。メンズライクなブーツやトラッドシューズを得意にし、24年春夏からレザーのメッシュを使ったサケット製法のモカシンを出している。モカ縫いやステッチも編んで表現する。ブルーとホワイトの2配色、ターコイズなど、アクセントカラーが揃う。72ユーロという価格帯も魅力的。