ストーリー アクセサリー・ジュエリーの再生で成長

2017/08/30 04:25 更新


 アクセサリー・ジュエリーのリペア、リフォーム、オーダーメイドを手がけるストーリー(大阪、余嶋哲冶社長)の業績が好調だ。12年に阪急うめだ本店に出店して以来、他社にはない独自のデザイン提案や顧客ニーズへのきめ細かな対応などが支持され、今では月に500件を超える受注を受けている。

 リペアではサイズ直しからチェーン切れ修理、変わったものでは車にひかれた指輪直しなど多岐にわたる。リフォームは持ち込まれたジュエリーの宝石を用いてパターンオーダーとフルオーダーで対応。基本的には枠を新しいものに変えるが、予算などに応じて枠を切り取ってそのまま使用することもある。

 アクセサリーやジュエリーに思い入れをもつ消費者は少なくない。顧客にとって大切なものだからこそリペアを受けない業者もいるが、同社はできる方法を提案しながらきめ細かく対応する。顧客の思いを受けた対応が共感をよび、他店で断られた客が同店を訪れるケースも少なくない。リフォームではファッション性やおしゃれな要素を取り込んだ独自のデザインを用意。シンプルで少しひねりのあるデザインなど、顧客が求めるデザインを想定しながら、100以上のパターンオーダーのデザインを揃え、毎年、少しづつ新たなデザインを増やしている。

 リフォームではアクセサリーの何を変えたいか、オーダーではどんなデザインを求めるのか、コストと時間をかけて丁寧に聞き取り、最適な提案をする姿勢が信頼を生み、ほぼ半分はリピーターだ。加工を依頼する職人は50人ほど。職人に丸投げはせず、難しい依頼は、余島社長自ら職人と解決方法や技術開発を進める。

 余嶋社長はアパレルメーカーのジュエリー部門から出発し、20年以上ジュエリー、アクセサリーに関わってきた。リフォームやリペアは経験がなかったが、経験や知識をもっとも生かせる分野だと思い独立。リフォームでは意外に消費者が求めるデザインのものが少ないと、デザインへのこだわりを持つ会社として出発した。立ち上げて5年、「予想以上に順調な歩み」だが、「今の仕事は究極の受け身」という。だからこそ「対応力とデザインなどの提案力はますます重要」だ。今後は熱伝導率が高く、リペアがむつかしいシルバーにも対応できる技術開発を進め、新たな市場を広げていく。

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