編集者の菅付雅信さんが作る雑貨

2015/03/13 06:40 更新


 『コンポジット』『インビテーション』『リバティーンズ』などの編集長を歴任してきた編集者(エディター)の菅付雅信さんが、文具や生活道具のブランド「エディターズリパブリック」を立ち上げた。「エディターによる、全てのエディターズマインドを持った人々に贈るブランド」として、国産の文具やトートバッグを揃えている。

 文具は雑誌やカタログを編集する際に必須となる〝台割〟がデザインされたノート(860円)と、エンボスの特殊紙を表紙に使ったノートのA6サイズ(460円)、A5サイズ(560円)の計3種。ノートは線を引く際などに便利なようにと、1㍉方眼を印刷している。方眼は薄いブルーインクのため、コピーすると消えて文字だけが残る。A5サイズは、ファイリングしやすいようにと、2穴リング付き。編集者に必要な機能性とデザイン性の両立を追求した。

「軽く丈夫で、経年変化も楽しめる」トートバッグ
「軽く丈夫で、経年変化も楽しめる」トートバッグ

 トートバッグには6号帆布を使用。かつて「編集者が持つバッグ」として〝エディターズバッグ〟がはやったが、「ファッション性だけを考えるのではなく、本当の意味でエディターに必要なバッグ」を検討し、制作したという。

 本や雑誌、カメラなどをガシガシ入れられるように、軽くて頑丈な作りにした。内側には名刺とペンが入れられるポケットがある。価格はSサイズ7800円、M9800円、L1万4800。黒、オリーブの2色展開。

 デザインはセミトランスペアレント・デザインの田中良治さんが担当し、製造・販売は文具・雑貨メーカーのカバー(電話03・3874・3101)が手掛ける。

 全国の東急ハンズ、ロフトや、書店、ライフスタイルショップなどで3月下旬から販売する予定だ。

 

菅付雅信さんの話 

僕は「企画を立てる」「人を集める」「モノを作る」という三つが揃っていれば、メディアの形を問わずそれは編集だと考えています。そういう意味で、文具や雑貨を作るのも、雑誌や本を作るのと同じ。ただ、試作品ができてから実物になるまでにすごく時間がかかる点は、雑誌や本の編集作業とは違います。完成するまで、試行錯誤に1年半がかかりました。

元々作りたかったのは台割ノート。台割ノートは出版社の社内用備品としてはありますが、市販されているものがない。フリーランスのエディターが増えている時代なので、ニーズがあると考えました。今は一般の人でもSNS(交流サイト)などのメディアを扱っており、画像編集もこなしている。

そういう意味で、エディターズマインドを持っている人は増えている。オンとオフの境が無いクリエーターに向けて、今後も両シーンでかっこよく使えるものを企画していきます。次はエプロンを制作する予定です。

編集者の菅付さん(右)とデザイナーの田中さん
編集者の菅付さん(右)とデザイナーの田中さん


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