鈴木靴下(奈良県三宅町)は、米ぬか由来の独自開発繊維「糸米(糸へんに米、マイ)を使い、メイド・イン・奈良のインナー「NUKATO」(ヌカト)を10月6日から自社ECで販売する。米ぬか繊維の持つ発熱、保湿、消臭、静電気抑制、かゆみやチクチク感防止などの多彩な機能に加え、編み立てや縫製の細部までこだわった。
【関連記事】《トップに聞く》鈴木靴下社長 鈴木和夫氏 米ぬか繊維を刷新
米ぬか繊維は、兼業米作農家でもある鈴木和夫社長が、廃棄される米ぬかの持つ美肌成分を繊維に応用しようと開発した素材。20年余り前から研究機関や素材メーカーの協力で開発を続け、米ぬか成分を練り込んだレーヨンと綿を主とする混紡素材を作り上げた。靴下では既に事業の柱に育っているが、インナーの本格展開に当たっては、公的検査機関で試験を繰り返し、発熱性など従来のあったかインナーとの違いをデータ面でも確保した。
ヌカトのコンセプトは、「肌と心を包み込む存在」で「消費者に寄り添うブランド」。第1弾の秋冬インナーは2アイテムで、「ゆったりフィットインナー」は、「糸米(糸へんに米)」だけで編み立てた柔らかなメンズ・レディス向け。胴回りに縫い目が無い丸胴編みで、縫製やタグを外側に配し、肌当たりの良い設計に仕上げた。
「しっとり包まれるインナー」は、肌側に「糸米(糸へんに米)」、外側に縦・横・斜めの全方向に伸びる特殊ナイロン素材「パンフリー」を活用、よりフィット感のあるレディスインナーに仕上げた。これも丸胴仕上げで縫い目やタグを外側に配す。メンズが税抜き7800円、レディスが7300円。編み立てやパンフリーの技術は、奈良のラック産業と協業し、地域活性化も目指す。
今後は靴下も含め、自社ブランドは全てヌカトに統一していく。