「タオ」（栗原たお）はこのほど、都内で25年春夏コレクションをショー形式で披露した。軽やかなチュールの透明感とセロファンのような輝きが重なり、タオらしいフォルムに強さを加える。春夏は透明感とレイヤードを軸にしたコレクション。ギンガムチェックのセットアップにチュールのパーツを重ね、ドレスにはフラワー柄のエプロンのようなパーツを重ねる。Aラインのシルエットに重ねたレイヤードパーツが、ふんわりとした動きを作る。
【関連記事】「タオ」24～25年秋冬コレクション 白で描くエアリーなムード
そのレイヤードは単純なパーツの重ね着から、次第に複雑な布の重なりへと変わっていく。レイヤードパーツと思いきや、下のアイテムと部分的につながったデザインもあり、複雑な布の造形が迫力を生み出す。白いフレアスカートは部分的にチュールのパーツに切り替えられて、ガーリーな中にほんのりと大人っぽさを添える。
女性の肖像画のような柄をマルチプリントした生地もキーとなる。その肖像画はムーミンの作者のトーベ・ヤンソンによるもの。どこかノスタルジックにも感じられる柄をセロハンのような輝きのスカートやジャケットの裏地にのせていく。軽やかな透け感とレイヤード、ノスタルジックな雰囲気。それはまさに春夏トレンドの王道でもあるのだが、それでもしっかりとタオらしさの中に収めている。
(小笠原拓郎）
