【ニューヨーク=杉本佳子通信員】アメリカ連邦取引委員会は4月22日、タペストリー(ニューヨーク)がカプリホールディングス(HD、同)を85億ドルで買収する計画を阻止する訴訟を連邦裁判所に起こしたと発表した。タペストリーのコーチとケイトスペードニューヨーク、カプリのマイケルコースの3ブランドが同じ企業の傘下に入ることは、ブランド間の直接競争をなくすとし、加えてタペストリーが「手が届きやすいラグジュアリーなハンドバッグ市場」において支配的なシェアを手にするというのがその理由だ。
連邦取引委員会は3ブランド間の価格、値下げ、プロモーション、イノベーション、デザイン、マーケティング、広告における競争からアメリカの消費者が受けてきた恩恵が得られなくなると主張している。現時点ではコーチ、ケイトスペード、マイケルコースは継続的にそれぞれのハンドバッグの価格をモニターし、価格を上げるか下げるか戦略的な決定を下しているが、買収によってなくなり、これらのブランドのハンドバッグを買っている多くの消費者たちが価格上昇に直面するとする。