《25年春夏欧州テキスタイルトレンド㊤》技巧 緻密な表現や手仕事感

2024/03/26 11:30 更新会員限定


 25年春夏向けの欧州生地見本市では、立体感や光沢、透け感といった要素が引き続き見られた一方で、刺繍や複雑なジャカードなど、よりわかりやすい付加価値を見せる技巧的な生地への引き合いが強まっている。クリーンな雰囲気の先染め、ドレープ感のある化合繊といった要素も出てきている。

(三冨裕騎)

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 「より装飾的な素材に関心が高まっている。特にクラフトマンシップは付加価値を高める上で重要」と指摘するのは、ミラノウニカトレンドディレクターのステファノ・ファッダ氏。インフレが進む中で、見た目にも手の込んだ生地の引き合いが強まっている。刺繍のフェデリコ・アスペジは、ポリウレタン糸で刺繍をし、その糸に熱をかけて意図的に溶かした生地を提案した。糸の太さや撚糸の方法、熱のかけ方などに工夫を凝らし、溶かした部分は光沢や、クレヨンで手描きしたような雰囲気が出る。

フェデリコ・アスペジ

 同じく刺繍のヤコブ・シュラエファーは、レーザーカットやプリント、刺繍などの技術を組み合わせて独創的な生地を作り上げた。何層にも重ねたパネル状の生地をつなぎ、端にフィルムを張り付けたテキスタイルは、上下に広げることでアコーディオンのような立体的なフォルムを作り出す。

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