タイ、カンボジア国境の陸路封鎖 船便で対応 「影響は限定的」

2025/07/02 10:59 更新NEW!


 タイとカンボジアの国境紛争を受け、6月23日に両国間の陸路が封鎖されたことで、貿易に支障が出ている。タイのペートンタン首相がカンボジアのフン・セン前首相との電話会談で自国軍を批判した音声記録が流出。タイでペートンタン首相の退陣要求が高まるなど混乱が広がっている。

 タイの繊維企業はこの間、人件費高騰などを理由に周辺国に縫製工場などを移転しており、カンボジアもその受け皿の一つ。そのためタイ繊維産業にとって陸路封鎖の影響は大きい。日系の繊維企業や繊維商社にとっても、タイの生地をカンボジアの縫製工場に納品し、縫製をしているため影響はある。ただ日系商社が活用するカンボジア縫製工場は中国系資本が中心で、生地も中国製が多い。両国の国境封鎖の事業への影響を商社中心に聞いたところ、「影響はない」「影響は限定的」との回答が多い。

 ある日系商社は、「スポーツ、ファッション関連で一部影響が出ており、今後カーシート関連でも影響がでるのでは」と懸念する。タイ、カンボジア間の陸路が完全に封鎖されており(6月27日段階)、両国間で交渉をしているもよう。陸路が封鎖されたため、船便に切り替えたが、船便も一時ストップ。6月26日からは再開されたため、船便で対応している。

 また、別の商社は、「タイ、カンボジアの行き来を伴う商売がほとんどなく、影響はない」とする。生地や資材などは多くの場合、中国から入れている状況。今後の状況を引き続き注視する。



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