《服を売ろう》パルコのクラウドファンディング活用
シアタープロダクツはパルコの購買型クラウドファンディングサービス「ブースター」を活用し、服作りのプロセスを学ぶワークショップを行う。12年に開始した実験的企画「シアターユアーズ」の一環で、「服の魅力を服作りにあまり興味がない人たちを含め、幅広く知ってほしい」(武内昭取締役兼デザイナー)という。
実施するのは5月26日、東京・代々木の文化学園。今春夏コレクションで発表したテープドレスの作り方を武内氏が講義する。講義にはファッション誌『装苑』の児島幹規編集長も登壇する。
テープドレスは「コレクションを象徴する商品」。富士吉田産地の企業と協業開発したオリジナルのキュプラジャカードのテープ10本をクロスさせて作った。「構造がとても面白く、素材とパターンのマッチングによって、新しいものが生み出せた」。その背景などを講義で語るほか、作り方もオープンにする。
ブースターでは5月13日まで、資金(目標金額88万9000円)を募集する。資金は、購買者へのリターンに直接充てる。リターンはワークショップへの参加に、型紙、オリジナルクッション、トートバッグ、テープドレス(1着)の購入を組み合わせた四つのコースを設けた。
シアターユアーズは「服の新しい価値を生み出したい」と開始、展覧会やワークショップなどを行ってきた。パルコとは、初めての店を02年に渋谷ゼロゲートに出して以来、「様々な新しい取り組み」を行っている。
今回は「ブースターを活用してファッションにとって意義があり、次につながることをしたい」と企画した。武内氏自身、コムデギャルソンのパタンナーからキャリアをスタートしただけに、パターンへの思いは強い。「服作り、パターンは難しいというイメージがあるが、実は面白く、クリエーティブであることが伝われば」と話す。