AI(人工知能)を活用した作業の自動化も進む。製糸工程で糸を巻く紙管が上下逆方向にセットされると糸切れの原因になる。人手の作業が介在するため、2万個に1個ほどの割合でこのミスが発生する。従来はこれを目視で確認していたが、AIによる逆紙管検知装置の導入で、効率的にトラブルを回避できるようになった。
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外観検査を自動化
原糸の梱包(こんぽう)時外観検査も自動化が進む。製品の外観を目視で検査し、品質異常や毛羽、汚れなどを梱包直前のコンベヤー上で確認することは、出荷製品の品質保証の上で重要な作業。従来どの原糸工場でも全量を人が行った。
石川工場では、この作業の自動化に挑んでいる。AIに蓄積したデータを活用し、自動で外観チェックを行う設備を導入。品種によっては、外観検査の自動化を実現、さらにデータを蓄積し、対象品種を広げていく。