東レは従来にはない極太ナイロンを使った高強力織物「ギガホールド」をバッグ用途で提案し、採用が広がっている。特殊な中空構造の糸により、ヘビーデューティーな見た目や耐久性と同時に軽量性も持たせた。
【関連記事】東レ 限定軽量トレランジャケットをCFで製作
通常、ブリーフケースなどの高強力なかばん地に使われるナイロンは太くても1000デニール クラス。ギガホールドは1本がそれ以上の太さの糸を4本合わせて織物にした。これだけ太い糸は織機も限定され、旧式のレピア織機を使った。染色も自動染色機ではなく、職人の目視でじっくり染め上げ、均一に染まるよう手間を加えた。
通常ナイロンで4200デニール だと重量も増してしまうが、ギガホールドの糸は〝田の字型〟の中空構造によって軽量化できた。もともとカーペット用に使われる極太糸を転用したもので、糸の空洞部分がクッションの役割を果たし、生地が衝撃も和らげる。
耐久性は、研磨布を使った摩耗試験で1680デニール のナイロン66が547回、同じく2520デニール が1350回に対し、ギガホールドは3000回以上の強さが出た。スポーツ・衣料資材事業部が18年春夏展から販売を始め、バッグメーカーなどで採用が進む。