東レ、遊泳水着で初の植物由来素材

2015/10/30 06:00 更新


 東レは、遊泳水着用途に初めて、植物由来ポリエステル「エコディアPET」を投入する。スパンデックス「ライクラ」と混ぜたニット「エコディア・フォー・スイム」として16年シーズン(15年9月~16年8月商戦)向けから販売し、枚数換算で初年度1万枚、3年後に5万枚を目指す。

 エコディアPETは、約30%が植物由来のポリエステル。13年から衣料向けに販売し、2 デニール を基本にユニフォームに採用されてきたが、エコディア・フォー・スイムの開発にあたり、従来より肌あたりの柔らかい1 デニール の紡糸技術を確立。ライクラと組み合わせて編み、締め付けすぎないソフトな着心地とUPF50+のUV(紫外線)カット機能を付与した。精密なプリントが可能なきめ細かい表面で、色柄が鮮やかに発現する。水着だけでなく、ラッシュガードなどの周辺アイテムに向けても打ち出す。

 東レの水着素材の15年シーズン販売量は、前年並みの807万枚に着地した。遊泳用は、海水浴離れが進んだが、野外フェスやアウトドア、タウンユースなど着用シーンが広がったことで、前年並みの132万枚を確保した。競泳用は、スポーツブームで市場の期待感が高まり、230万枚(前年比1・8%増)、フィットネス用は306万枚(前年並み)、子供・スクールは139万枚(2・1%減)だった。16年は827万枚(前年比2%増)を計画する。遊泳用は、夏フェスやインナー用途など着用シーンの広がりに期待する。スポーツとファッションの融合が進んでいるのと同様、水着も洋服感覚で着られるものが増えていくとみて、感性とUVカットや防透けなどの機能性も満たす素材を拡充していく。

 スポーツとファッションの融合は、遊泳用水着のトレンドにも影響しており、16年は首の根元から襟ぐりの下までを斜めにカットし、肩を大きく露出したアメリカンスリーブや、オフショルダーが浮上するとみる。素材は、古典的な色合いやクラフトタッチ、ビンテージ調に注目し、色はエメラルドブルーのような柔らかいブルーやオレンジ、柄はぼかしたような花柄や70年代調の幾何柄を推す。

◇キャンペーンガールに海老沼さくらさん

 2016年東レキャンペーンガールは、海老沼さくら(えびぬま・さくら)さんを選んだ。神奈川県出身の16歳。水着素材のほか、先端素材や製品のプロモーション、事業活動のPRなどに起用する。

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「エコディア・フォー・スイム」を使った水着を着用した海老沼さくらさん

 



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