東洋紡グループが繊維事業再編 STCの産業用事業を東洋紡せんいへ

2025/01/28 06:25 更新


 東洋紡は1月27日、4月1日付で100%子会社の東洋紡STCを分割し、一部事業を100%出資の東洋紡せんいに承継させると発表した。STCから東洋紡せんいに移るのは、産業用繊維を扱う工業材料事業と機能資材事業の2事業。

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 東洋紡はグループ内の繊維事業の構造改革を進めてきた。22年4月にSTCの繊維事業を分割、東洋紡プロダクツと統合させて東洋紡せんいを発足させた。東洋紡せんいは衣料用繊維に特化した、糸、生地、製品の製造、販売会社でスタート。22年度は約10億円の営業赤字だった。発足来、国内工場の再編や不採算事業の撤収など構造改革を進め、23年度には黒字に転換、24年度(25年3月期)は売上高330億円で営業利益10億円を見込むなど収益基盤が整ってきた。

 今回の再編で、「STCに残してきた非衣料繊維事業も取り込むことで、東洋紡せんいは設立時に描いた本来のあるべき姿になる」(清水栄一東洋紡執行役員機能繊維・商事本部長兼東洋紡せんい社長)。

 2事業が加わり、東洋紡せんいは7事業部となり、25年度には売上高500億円、営業利益20億円規模の企業となる。



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