OEM(相手先ブランドによる生産)中心のアパレルメーカー、トレモア・プランニング(大阪市)が昨年2月に発売したレディスブランド「THE YOn」(ザヨン)が好調だ。今年2月の売り上げは、ゾゾタウンだけで約6000万円と大きく伸びた。今後、期間限定店、メタバース(インターネット上の仮想空間)の活用でさらに認知度を上げていく。
ザヨンのコンセプトは「ストリートシック」。モードに振れ過ぎないデイリーウェアとし、大人女性も対象とする。靴はパンプス類などで、スニーカーは扱わない。購買層は26~29歳と30代半ばが中心。
モデルに原かのんさんを起用し、昨年9月に売り上げがポンと上がった。冬物なら7月初旬、春物は12月10日と、他のECブランドより早く見せることも功を奏しているという。売り上げのカギになる予約販売商品は、お気に入り登録数も見ながら生産するため在庫ロスも少なくなる。
最近の売れ筋は斜めフリルのシャツ(税抜き5400円)、大きなリボン付きでシャープなシルエットのパンプス(6000円)。デニムアイテムも全般的に売れている。平均客単価は5500円。
これまではゾゾタウンだけでの販売だったが、3月27~31日には初の期間限定店を大阪のHEPファイブに開いた。店頭ではメタバースを活用したブランドのバーチャルワールドの体験会も開催。オンラインゲーム「フォートナイト」上で四つのワールドを運営する。ゲームをクリアした人には、ECで使えるクーポンを届ける。
今後も継続してファッションとVR(仮想現実)の親和性を検証する。バーチャルワールド制作は事業再構築補助金を活用した。4月には自社ECサイトも立ち上げる。