「トローヴ」が東京の直営店を移転 上顧客対応で地下に〝茶室〟

2022/04/06 06:26 更新


茶室をイメージした隠れ家的な空間を地下に備える

 メンズブランド「トローヴ」(ネクトリー)は今春、東京の直営店を渋谷からお茶の水に移転・拡大オープンした。ブランドコンセプトのリラックスを伝えるとともに、上顧客向けに茶室をイメージした隠れ家的な空間を地下1階に備えた。

 従来の渋谷店は08年の開業以来13年間ほど営業してきたが、顧客化が進み手狭になったため、目的買いの来店客がゆっくりくつろげる場を探した結果、あえてファッションエリアから離れることにした。新店は歴史と文化が感じられるお茶の水エリアで、駅から少し離れた路面1階にアートギャラリーをイメージしたショップを開設した。レジ台やショーケースがなく、可動式のラックで空間を自由に使えるようにした。エントランスでは、自分たちがほれ込んだアート作品や家具などを期間限定で紹介していく。

 隠し扉を開けて降りる地下1階には、間接照明で薄暗い枯山水を模したスペースの先に茶室がある。一段高い場所に畳が敷かれ、中央に置かれた急須でお茶をふるまう。奥の台には物作りを象徴する古いミシンが飾られている。上顧客向けの接客や、イベントスペースとしても活用する予定。「来店した顧客が特別な空間で満足してもらえる体験を提供したい」と将来的に完全アポイント制も検討している。

1階はアートギャラリーをイメージした売り場

 1階の売り場は約66平方メートル。天然素材を中心にしたカジュアルウェアのトローヴを主力に、洋服の素材を使った和装ライン「和ローヴ」のほか、今春夏からスタートした新ライン「リラックスニット」で構成する。新ラインはオーガニックコットンとシルクの裏毛とスムースのカットソーアイテム。柔らかな曲線を意識したユニセックスなデザインが特徴だ。移転オープン記念で、ビッグジョンと協業したデニム羽織りを販売するとともに、レザーのはんてん型ライダーズジャケットをカスタムオーダーする。

 同ブランドは、岐阜県が本社のネクトリーの自社工場で布帛シャツやブルゾンを生産。カットソーなど他のアイテムは近隣の協力工場で作る。生地は愛知県の一宮地区が中心。



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